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2018.10.16.
わき道をゆく
第135回 革新官僚・岸と全体主義の挫折

 前回は近衛新体制運動について書いたが、今回はそのつづきである。主として参考にさせてもらう文献は『昭和史講義―最新研究で見る戦争への道』(筒井清忠編・ちくま新書)である。  日米開戦直前の日本を熱病のように覆った近衛新体 […]

2018.9.27.
わき道をゆく
第134回 近衛新党の大誤算

 公爵・近衛文麿は生まれて8日目に母を産褥熱でなくした。やがて父は亡き妻の妹・貞子と結婚し、文麿は後に4人の異母弟妹をもつことになる。  だが、文麿は相当長ずるまで貞子を実の母と思っていた。それだけに真実を知った時の衝撃 […]

2018.9.10.
わき道をゆく
第133回 機密費と「日本版ナチス」

 日米開戦直前の第二次・第三次近衛内閣に陸海軍から上納された機密費の話をつづけたい。  富田健治(当時の内閣書記官長)の供述によると、機密費の相当部分が大政翼賛会をつくる際、近衛側近の風見章(第一次近衛内閣の書記官長)か […]

2018.8.14.
わき道をゆく
第132回 機密費は議会のボスたちに

 日米開戦直前の第二次・第三次近衛内閣の書記官長をつとめた富田健治に対するGHQの尋問が2日目を迎えている。  尋問の焦点は、陸海軍が近衛内閣に秘密裡に上納していた年間総額1000万円の機密費だ。  今の80億~90億円 […]

2018.7.10.
わき道をゆく
第131回 その機密費は、どこから? 

 GHQのW・E・エドワーズ法務官による尋問の模様をひきつづきお伝えしたい。  答えるのは第二次・第三次近衛内閣(1940年7月~1941年10月)の書記官長だった富田健治である。富田はすでに近衛内閣が陸海軍から年間50 […]