フォーラム神保町東郷ゼミ 「ニッポンの領土問題〜第3弾/尖閣諸島の論点を突く」
概要
今、日本を取り巻く「領土問題」がちょっとおかしな雰囲気になってきています。
わが国の教科書指導要領の話が「竹島」における韓国の軍事演習に発展したり、中国の当局が「尖閣」周辺海域での調査活動を公言したり、「北方領土」でも、91年から粛々と進められていたヴィザ無し交流のやりかたを廃棄した<出入国カード>への記入が要求されたりと、今、現場レベルできなくさい話が次々に出て来ているように見えるのです。
一方、サハリンでの麻生・メディエーディエフ会談では、麻生総理は「二島でも四島でもない」という怪気炎をあげている。
日本を取り巻く領土問題の最前線では、今、何が起きているのか?そもそも『領土問題』とはどういうことなのか?
この重要な問題を正面から掘り下げ、考えていくことこそが、『ニッポンの領土問題』とは何なのか、という“謎”を紐解くカギになるでしょう。
そこで、「東郷ゼミ」では『ニッポンの歴史問題』に引き続き、集中ゼミ・シリーズとして『ニッポンの領土問題』をテーマに、講師にスペシャリストの方々をお招きして、皆さんと一緒に勉強していきたいと思います。
日時 テーマ | |
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第1弾 |
3月21日(土)14:00〜16:00 第1弾 「領土ナショナリズムを考える」「なぜ韓国人は独島(竹島)を韓国の領土だと信じるのか?」「なぜ日本人は竹島(独島)を日本の領土だと信じるのか?」・・・ 領土問題は、それぞれの国のナショナリズムに色濃く結びついている。学者も、容易には、自国の立場を度外視できない。韓国で勉強し韓国籍を持ち、今、東大で教えている玄先生にしてもそうである。 しかし玄先生は、竹島問題について、歴史的な経緯と国際法の二つの視点から日韓の立場をできるかぎり客観的に対比させ、韓国ナショナリズムがなぜ、どういうふうに形成されてきたかを探ろうとしている。北方領土問題について同じ苦しみを味わってきた東郷和彦が、玄先生の竹島論に、肉薄する。 玄大松先生の著書『領土ナショナリズムの誕生』(ミネルヴァ書房)は、2007年度の「アジア・太平洋賞特別賞」を受賞。「独島/竹島問題」におけるマス・メディアの影響に注目し、日韓のマス・メディアが作りあげる「疑似現実」、世論の「生産」と「消費」との双方向的なメカニズム及びそれを可能とする社会・文化的な条件が何かを解明し、さらに韓国とニッポン、それぞれの歴史認識の形成に迫った名著。アジアのナショナリズムを知るには貴重な一冊として推薦致します。定価は5,800円(税別)です。当日は、この著書で語られている事をベースに、お話を展開して頂く予定です。参考図書として、この機会にぜひお買い求め下さい。 玄 大 松(ヒョン デ ソン)1961年生まれ。 海洋高校を卒業した後、7年間航海士として勤め、28歳で大学に進学した晩学派。 |
第2弾 |
3月21日(土)16:30〜18:30 第2弾 「僕の見た国境の島々」領土問題は、主権と主権が激突する国家間の問題である。しかし、そこには、現場がある。現場を見なくして何が領土か。だが、主権と主権が激突すると、現場をおとずれるのは、やっかいになる。 竹島に、日本人と名乗っていくことは、文字通り危険である。尖閣には、今、ほぼだれも近寄れない。北方領土は、政府の枠に乗らないと、非国民扱いをうける。そういう現場を渡り歩いてきた、勇気ある男がいる。「僕の見た大日本帝国」で、帝国日本の痕跡を渡り歩いた西牟田晴氏である。その現場レポートを、じかに聞いてみよう。 講師の西牟田靖さんの著書『誰も国境を知らない?揺れ動いた「日本のかたち」をたどる旅』(情報センター出版局)は「この国のかたち」を自らの足で確認しようと、北方領土、沖ノ鳥島、竹島、対馬、硫黄島、小笠原諸島、与那国島、尖閣諸島・・・を、5年の歳月をかけてたった一人で旅した貴重な記録が満載の著書です。定価は1,700円(税別)です。参考図書として、この機会にぜひお買い求め下さい。 西牟田靖1970年大阪生まれ。神戸学院大学卒業。8カ月間の会社勤めの後、地球一周の船旅へ。以降、ライターとして活動を始める。沢木耕太郎の『深夜特急』の経緯をたどる香港〜ロンドンへのバス旅、北インド、北ベトナム取材、タリバン支配下のアフガニスタン潜入、空爆停止直後のユーゴスラビア突入、サハリン、台湾、韓国、北朝鮮、中国、ミクロネシアという、かつて大日本帝国だったエリアの踏破など、旅にこだわり、現場にこだわり、実感にこだわり、世界各地に挑戦的な旅を続けている。前作の「僕の見た『大日本帝国』」は、果敢な行動力と大胆なテーマ、等身大の視点が高く評価され、ベストセラーを記録、 2005年の新潮ドキュメント賞にノミネートされた。行動派の若きノンフィクション・ライターとして、今もっとも注目を集める存在。 |
第3弾 |
4月18日(土)18:30〜20:30 第3弾 「尖閣諸島の論点を突く」知らないということは、恐ろしいことである。日本は今、急成長中国との提携を迫られている。中国政府も、微笑外交に余念がない。しかし、その膝元で、「尖閣諸島に調査船を」といった公式発言が飛び出す。そういう発言は、実は、太古の昔からの中国民族の領土感覚からでたものだという。それに気づかずに大切な機会の窓を失ってきた、日本側の間違いはどこにあったのか。更に、尖閣諸島よりもっと危機にさらされている所があるという。それはどこなのか。この問題の日本随一の権威、浦野起央先生の話を聞こう。 尖閣諸島は日本に帰属していますが、以前、中国の領土主張の要求は収まってはいません。そして日本政府は、中国を刺激しないように最新の注意を払っています。 上記の2冊は参考図書として、受講者にはぜひご準備いただきたいところですが、ともに高額であるので、ご希望の方には(1割程度の)割引料金でご準備させていただきます。よって、当ゼミの受講をお申し込みの方には、別途、事務局よりご案内させて頂きます。 浦野起央(うらのたつお)1933年生まれ。日本大学法学部卒業、同大学院修了。日本大学法学部教授を経て、日本大学名誉教授に。北京大学客座教授。専門は国際政治学。主著に「国際関係論の再構成」「国際関係理論史」「人間的国際社会論」「日・中・韓の歴史認識」「パレスチナをめぐる国際政治」「南海諸島国際紛争史」「現代における革命と自決」「20世紀世界紛争事典」「資料体系アジア・アフリカ国際関係政治社会史」、訳書にアラン・ラブルース/ミッシェル・クトゥジス「麻薬と紛争」、ダヴ・ローネン「自決とは何か」など。『浦野起央著作集』(南窓社, 1989年〜)。特に尖閣諸島の問題については、第一人者である。 |
第4弾 |
6月1日(月)18:30〜20:30 第4弾 「北方領土問題を語り尽くす!」「北方四島が、最も日本へ近づいた日」2001年3月25日、イルクーツクでの森・プーチン会談から、既に8年の歳月が流れました。 そして、この会談で、森嘉朗総理をささえた3人は、翌年春、政府とマスコミと世論の総バッシングをうけ、東郷和彦は外務省を退官させられ、鈴木宗男衆議院議員と佐藤優主任分析官は、逮捕されることになりました。 今、3人は、それぞれの形で、社会に参画しています。 そして、今回、事件以来、初めて、3人が揃って世論の前に登場します。 この8年は3人にとって何だったのか。 ———この機会に、存分に、それぞれの思いを語ります。乞うご期待! |
【受講条件】 | 受講条件は、以下の通りです。
1.メディア関係者 なお、受講者の受付はお申し込み順とさせていただきますが、定員を超えた場合は、職能会員(会費をお振り込みいただいた方)を優先させていただきます。 |
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【参考図書】 | 玄大松「領土ナショナリズムの誕生」(ミネルヴァ書房) 西牟田靖「誰も国境を知らない」(情報センター出版局) 浦野起央「尖閣諸島・琉球・中国・日中国際関係史」(三和書籍) ————————————————————————— 下條正男「竹島は日韓どちらのものか」(文春新書) 内藤正中・金柄烈「竹島・独島・史的検証」(岩波書店) 芹田健太郎「日本の領土 」(中公叢書) 長谷川毅「北方領土問題と日露関係」(筑摩書房) 岩下明裕「北方領土問題」(中央新書) 東郷和彦「北方領土交渉秘録」(新潮社) |
【申し込み】 | 受講希望者は、それぞれ、希望する回毎にお申し込み下さい。 テーマは毎回変わりますので、全講座をお申し込みいただいても、講座毎にお申し込みいただいても、どちらでも結構です。 |