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- 象の鼻毛
- 第一回目「物語が欲しい(下)」
世の人がこれほど物語に飢えた様子を見せるのか。文学というものに係わってきた私などには、幾らか思い当たるところがある。正直に言えば、幾らかどころではない。おおいにある。
- 象の鼻毛
- 第一回目「物語が欲しい(上)」
二〇一〇年の年末から二〇一一年の新年にかけて、山陰地方から大雪の便りが届いた。それは、さながら悲鳴のようだった。テレビや新聞ではなくツイッターで流れるコメントによって、その様子を知ったので、悲鳴はより鮮明に耳に届いた。