フォーラム神保町伊東乾の「原典で学び直すドイツ語」〜第二期スタート

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開催日時:2009年7月21日(火) 19:00〜20:30

概要

伊東乾の「原典で学び直すドイツ語」今後の予定

第二期 7月21日 8月11日 25日 9月1日 9月1日は都合により休講となりました。
        各火曜日/19:00〜21:00
8月25日、9月1日は休講です
 
第三期 10月以降を予定
 
参加希望者は 中山豊「中級ドイツ語文法」(白水社)を準備のこと。 ※新規参加希望者はこちらをお読みください。
 
第二期は名詞と修飾語の格変化活用の「感じ方・考え方」に焦点を当て、文法のトレーニングを進めるとともに、その観点からルター訳聖書、ヴィトゲンシュタイン「論理哲学考究」などのテキストを扱います。
 
受講希望者は7月21日、上記「5章」と「8章」の活用表をひとまず暗記して、ご参加ください。
 
なぜドイツ語の名詞には「男性」「女性」そして「中性」の別があるのか。ラテン語と関わりながら発達したゲルマン語であるドイツ語は、旧約聖書とローマ法に関わって発達したと考えることで、無機的な文法に血が通って見えてきます。
 
「主要な性」として位置づけられた「男性」、弱きものとされた「子供」そして「女性」と、それに関係する「子音の響き」 ジェンダーとパロールから文法を逆照射してみます。
 
訴訟の言葉として、記録されるものとして整備されたラテン語〜欧州各国の世俗諸語。 所有と「支配・被支配」の構造からも、言語の持つ意外な権力的側面が浮かびあがって見えてきます。
 
こうした観点から、ルター訳聖書等を検討してみようというのが今期の関心です。
 
なお第三期で 動詞(時制の感じ方・考え方)
第四期で構文等(分離動詞・再帰動詞の感じ方・考え方)
を扱い、年末までには一通りのドイツ語文法を終えられればと考えています。
 
なお秋からの後期では、アドルフ・ヒトラー「我が闘争」のユダヤ人排撃部分など、聖書の表現では見られないテキストも扱うことを考えています。

追記

次年度は同様の発想でフランス語の初級クラスを準備したいと思っています。テキストとしてはフランス人権宣言など社会契約論関連のもの、エミール・ゾラ「私は弾劾する」、アベラール書簡とルソーの「新エロイーズ」、ブランショやデリダなど近年のもの 等を考えています。
 
 やはり文法の初歩から「なぜ?」を問い、感じ方、考え方を身に着けてゆくことを考えます。2011年はイタリア語で聖書関連、ダンテ、ペトラルカから法哲学のベッカリーア、グラムシ、あるいはファシスト党の興隆を作ったガブリエーレ・ダヌンツィオの「死の勝利」を、それを下敷きとした三島由紀夫「岬にての物語」と対照して読むといったことを予定しています。いずれもご興味の方にはぜひご参加ください。

伊東 乾

概要

「大学教養時代に第二外国語を学んだはずなのに、どうにもまったく使えない」という経験を持つ人は少なくないと思う。
 
本コースでは、向こう2年ほどをかけて、ドイツ語、フランス語、イタリア語の基礎文法を学び直しながら、実際に使える原典テキストを購読したい。最初の半期(+α)はドイツ語のおさらいを行う。
 
テキストとして 中山豊「中級ドイツ文法」(白水社)を指定し、毎回半分の時間は基礎の確認に宛てる。
 
残りはルター訳新約聖書、マルクス「資本論」、ニーチェ「ツァラトゥストラはこう語った」ヘルムホルツ「自然力の交互作用」ハイデガー「存在と時間」など、引用をそのまま現代でも使える古典を抜粋して、文法的細部を飛ばさずに、また当然きちんと意味も取る精読を行う。
 
筆者は30を過ぎてから二度目の博士課程に在学し、北川東子教授とニーチェやハイデガー、松浦寿輝助教授(当時)とヴァレリーやブランショの原典を購読し、多くを得る機会があった。
 
既存翻訳に頼ることで原典の意味を沮喪し、言葉遊びに流れてゆく幾多の「国内研究」の限界の痛感した。私自身も他山の石とするものではない。自戒の意味も含め、参加者とともに学び直したいという思いをもって、本コースを開設したく思う。
 
希望者は上記テキストを入手のこと。少なくとも半期一言語分ごとに継続的に参加する希望者を募りたい。

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