編集後記第3回
魚の目の第3号をお届けします。どれもこれも素晴らしい原稿ばかりで編集者冥利に尽きるというのが私の正直な感想です。著者の皆さん、そして応援して下さっている読者の皆さんに心から御礼申し上げます。
1号、2号、3号と更新する過程でサイトのデザインや内容が少し変わりました。
まず行間を少しあけて読みやすくしました。次に更新したばかりの原稿についてはUPの符号をつけ、その旨を読者の皆さんにお知らせすることにしました。
さらに「鵜の目」というコーナーを設けて読者からのメールを紹介し、それに各著者や編集者からのコメントを可能な限り掲載することにしました。
これからも読者の皆さんの声を採り入れながら、より充実したウェブマガジンにしていくつもりです。市場原理から離れたところでどれだけ豊かな情報空間をつくることができるか。その実験をこのウェブマガジンで行いたいと思っています。
ところで足利事件の菅家利和さんが17年ぶりに釈放されましたね。この事件に関してはすでに8年前、小林篤さんが『幼稚園バス運転手は幼女を殺したか』(草思社刊)という本で捜査の杜撰さ・悪辣さを指摘し、真犯人は別にいることを訴えています。
小林さんは我々の業界では、それこそ地をはうような取材をすることで有名なルポライターです。取材に熱中するあまり、ズボンをはくのを忘れてパンツ一丁で外出したり、寝袋で野宿しながら長期の現地取材をつづけたり、といった逸話の持ち主でもあります。
小林さんは足利事件の真相を解明するために6年の歳月をかけたと聞いています。彼のような優れた取材者のおかげでノンフィクションはその命脈を保ってきたのでしょう。
当サイトの目的の一つも、小林さんのような優れたフリージャーナリストを読者の皆さんに紹介し、その仕事を知ってもらうことであります。
どうか読者の皆さんのご声援をお願いします。
2009年6月5日記(了)