フォーラム神保町東郷ゼミ「ゼロからのイスラム 第1弾」 〜国際政治の中の中東について〜

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開催日時:2010年 7月31日(土) 18:30〜20:30

・冒頭のイスラムがわからないから中東はわからないといった考えは必要ない。 日本の政治でおこった事件を考察するのに神道や仏教はいらないとの指摘はまず一番初めにガツンと来ました。確かに、仮に外国の友人がいたとして、彼か彼女に日本で起きている鳩山首相辞任や民主党の内の勢力争いなどを説明するのに宗教は関係ないです。まずこれだけで講義に参加した甲斐が十分にありました。自分の頭が以下に1つのイメージで凝り固まっていたのか少しばかり自覚できました。
 
・イスラム教について、キリスト教は内面のみを規定するが、ユダヤ教やイスラム教は内面だけではなく、世俗も規定するという指摘になるほどと思いました。昨年よりフォーラム神保町の中でキリスト教徒と神道を少しずつ学んでいるのですが、確かにキリスト教で語られることの多くは内面世界の話だけに留まります。いろいろと解釈はありますが、生活するうえで縛られているような話は出てきません。
 
・パレスチナとイスラエルの関係で表現が戦争→ゲリラ→テロと移り変わっていったと言うお話も勉強になりました。長いスパンで“洗脳”されていたのでしょうか。大分印象が違ってきますね。インティファーダというものの背景と意味をこの話によりはじめて理解できました。
 
・60〜70年代のアラブにおいて日本以上に西洋化が極端に進んでしまっていたといった事実は全く知りませんでした。女性がミニスカートを身に着けていたなんて、おどろきました。
 
・最後の質問のときに日本の外交官、有能なアラビストが90年代に入ってから辞めてしまうことが多くみられたとの話にはショックでした。優秀な人材が残らないというのは外務省のシステムに問題があるのでしょうか。何とか改善されないものかと、願うばかりです。
 
以上、簡単ではありますが講義を受けての感想を書き連ねてみました。思えば今回の講義の参考図書である『〈中東〉の考え方』以前に中東についてきちんと読んだ本といえば20年ほど前、浪人時代に本多勝一氏の『アラブ遊牧民』まで遡ってしまいます。今回の講義を受けて自分の中の中東のイメージは、死んでいた化石から血が通った生き物になったような感じがします。どうもありがとうございました。
(大久保範生/会社員)

※フォーラム神保町のサイト上で掲載された「レポート」は執筆者個人の意見であり、所属の団体や組織等の意見ではありません。

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