フォーラム神保町「国策裁判と“刑務所大学”〜最近の暴力団に対する法規制の変貌」

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開催日時:7月22日 (火) 18:30〜

勉強会レポート

この日の講師は三代目侠道会会長補佐の森田健介氏でした。午後6時半過ぎに始まった勉強会の会場となったレストランに集まった参加者は、猪野健治氏と宮崎学氏はじめ雑誌記者、編集者ほか20名ほどでしょうか。
ビールや軽食も出て、なごやかな雰囲気の中、猪野、宮崎両氏の簡単な挨拶のあとに森田氏のスピーチが始まりました。冒頭、森田氏は「ヤクザは稼業じゃなく思想である」としたうえで、「ヤクザは刑務所に入るのを恐れてはいけない」など<思想としてのヤクザ>についての解説が、「100万円貸してくれというところを300万円貸してこそヤクザ」など具体的な事例を交えて展開されました。

田刑務所生活の経験を踏まえた話題に移ると森田氏は「長年刑務所にいるとボールペンで限られた時間内に書くのが上手になる。出てきたら1日100ページ文章が書けるようになった」とも。そのような文章作成力に関しては、文章を扱う職業に身を置く筆者としては、ただただうらやましく思うばかりでした。

その後は質疑応答。森田氏が極道の世界に身を投じるきっかけや、森田氏の知る大物ヤクザ、政界関係者などに関する興味深いエピソードで会場は大いに盛り上がりました。

時折ユーモアを交えた森田氏のスピーチ。その話題のジャンルは実に幅広く、後半では、自身の闘病経験を交え、心筋梗塞など血管の病気の予防には、水分補給が重要で、夜寝ているときに起きてトイレに行ったときは必ず水を飲むこと。さらに冬の朝方などは血管が寒さで急に縮まらないように、寝室からトイレまでのルートの温度は暖房費がかかっても同じ温かさにしておくことなど「健康」についての情報も披露されました。

8時半ごろに会が終了したあとも森田氏のもとには森田氏の近著「ヤクザ者の屁理屈」にサインを求める参加者が列をなしていたものでした。

(「アサヒ芸能」編集部 大滝雄裕)