フォーラム神保町第11回 「日米関係とメディア」

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開催日時:4月16日 (月) 18:30〜

勉強会レポート

 私にとって関岡さんのお話は実に刺激的なものだった。特に、関岡さんの話は日本のメディアがアメリカの「年次報告要望書」に対して鈍感 だった理由がどこにあるかを考えるいい契機を与えていただいた。例えば、アメリカの「要望」の中にある「司法改革」については、「裁判員制度の導入」が現在進行中のテーマなのであるが、「開かれた裁判」という耳ざわりのいい言葉を無批判に受け入れるばかりか、その提灯持ちの役割をメディアが果たしている、その姿がつまり鈍感の源泉なのだろうと思った。

つまり、この日本という国は、社会の「進歩」の果実をまず最初に喰らうのは官僚であるという変型の「社会」だ。そして、例えば、この「司法改革」では、その「果実」を間違いなく最初に喰らうのは司法官僚ということになる。

そこで、「官僚階級」の存在とメディアの歴史的な関係性への問題は、私の今後のテーマの一つとなった。

(作家 宮崎学)