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 行春や鳥啼魚の目は泪(ゆくはるや・とりなきうおの・めはなみだ)
『奥の細道』に収められた松尾芭蕉の句です。元禄2年3月27日未明、三千里の旅の第一歩を踏み出さんとしたときの心境を詠んだものだそうです。
 雑誌メディアの危機が言われて久しく、とくにジャーナリズム、ノンフィクション、評論の分野にとっては、窮屈な世界になってしまいました。そこでウェブマガジンでの可能性を探ってみようと思いました。それはただウェブに表現の場を移すということではありません。ウェブ上での表現活動を通じてペーパーメディアの力を取り戻せないか、その可能性を探ってみたいのです。
 芭蕉の心境ではありませんが、前途に何が広がっているのかわかりません。執筆者と、読者のみなさんと歩いていけたらなと思っています。
 最後に。「魚の目」は魚眼と言うように、広く世界を見ることができますよね。それから、できものの「魚の目」は痛いですよね。多様性を否定する者にとっては、“痛い”メディアでありたいとも思っています。
 
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