フォーラム神保町東郷ゼミ「ゼロからのイスラム 第3弾」〜グローバリゼーション下のイスラム社会の変容〜
概要
「イスラム・アラブ・中東」。日本人の心にまず浮かぶのは石油だろう。
1973年の第一次石油ショック以来、この地域からの石油輸入をちゃんとやることがとても大切だということは、日本人の多くの心に刻み込まれている。しかし、その先の知識となると「ちょっと自信がない・・・」という人が多い。
パレスチナの地にできたユダヤ人の国家イスラエルと周辺のアラブ諸国との間で、かくも長く激しい対立が続いているのはなぜか?
2001年9月11日のアルカイダによる反米テロはどこから生まれ、そして、どこにいくのか?
これらの動きの背後にあると言われる、世界に散らばるイスラム信仰とは、何なのか?
日本人の生活と外交にとって、「イスラム・アラブ・中東」は、これからどんな意味を持つのか?
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第4弾 |
12月18日(土)18:30〜20:30 「報道を超えて私が伝えたいイラクの真実」について今回の講師には、高遠菜穂子さんにお願いした。イラクの現場に肉薄し、イラク人の目線にたって、そこで起きていることを観察し、そこでできることを実践してきた、大切な日本のNPOの一人である。学生のころから、国外でのボロンティア活動に関心をもち、インド、カンボディアなどで活動し、2003年初めてイラクに入った。2004年武装勢力に拉致されたが釈放され、国内報道で、激しい「自己責任」バッシングがくりひろげられた。 一つの空気に迎合する日本的風土が生み出したこの風圧から見事に立ち直った高遠さんは、いま、ふたたびイラクの大地に立って、イラク戦争の実態をふりかえり、そこから見えてくる日本を見据える。きっと貴重なお話や映像、写真の数々をうかがうことになるだろう。 大義なき攻撃でイラクにもたらされた破壊と死。残された人々はこれまでにないほどの苦境におかれている。イラク戦争とは何だったのか。私たち日本人は何をすべきなのか。現場から見えるイラクと日本の姿を報告して下さるはずです。あの戦争は何だったのか、現場を見て来たからこそ語れる話です。 ゲスト講師/高遠菜穂子イラク支援ボランティア。1970年1月14日北海道千歳市出身。麗澤(れいたく)大学外国語学部英語学科卒。卒業後、東京で1年間の会社員生活。退職後、アメリカ黒人解放運動の田尻成芳(たじりせいほう)氏の元を訪れ、生き方を学ぶ。24歳の時に地元でカラオケボックスを開業。30歳を機に仕事を辞め、インドのマザーテレサの施設や孤児院、タイ、カンボジアのエイズホスピスでボランティアに専念する生活をスタート。2003年3月にイラク戦争が勃発し、ブッシュ大統領の「大規模戦闘終結宣言」が発表された5月1日にイラクに初入国。NGOと共に病院調査、医薬品運搬、学校再建などを行う。後半は路上生活する子どもたちの自立支援に取り組み始める。2004年4月、4回目のイラク入国の際にファルージャ近郊で地元の抵抗勢力に拘束される。同年8月より隣国ヨルダンからイラク支援を再開し、路上生活の子どもたちに「子ども自立支援プロジェクト」として就職斡旋と職業訓練プログラムの基盤作りを完了させた。現在は、難民・国内避難民のサポート、医療支援などのプロジェクトをイラク人と共にすすめている。「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」呼びかけ人。「戦争と平和 それでもイラク人を嫌いになれない」(講談社) 「愛してるって、どう言うの?〜生きる意味を探す旅の途中で〜(文芸社) |
第3弾 |
11月14日(日)17:00〜19:00 「グローバリゼーション下のイスラム社会の変容」について「今回は、グローバル化が進むボーダーレス時代の地球に暮らすイスラム社会の変容、ということについて考えてみたい。 人やモノ、あらゆる情報の地球規模での激しい動きが、イスラムという宗教のネットワークやシステム自体をどう変えて来ているのか? そして、インターネットや衛星放送という新しいメディアが果たす役割や影響が計り知れない時代に、イスラム教徒の彼等は何を考え、何を求め、何を選択し始めているのだろうか? 信者として心の中の葛藤はあるのだろうか? また、アメリカや西欧に生きる「移民」イスラム教徒が展開する運動が、イスラムという宗教の共同体、イスラム教徒一人々々にどのような変化を及ぼしているのか、この分野における日本の第一人者である八木先生の貴重な分析や意見を聴きながら、考えてみたい。 ゲスト講師/八木久美子1958年生まれ。東京外国語大学外国語学部アラビア語学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科より修士号取得(宗教学宗教史学専攻)。ハーバード大学大学院修了(Ph.D.)。現在、東京外国語大学大学院・総合国際学研究院教授。著書に『マフフーズ・文学・イスラム——エジプト知性の閃き』(第三書館)『アラブ・イスラム世界における他者像の変遷』(現代図書)。訳書バーバ/ミッチェル編『エドワード・サイード 対話は続く』(共訳、みすず書房)。 |
第2弾 |
8月30日(月)19:00〜21:30 「映像で観る『公処刑されたアフガニスタン女性を追って」
「中東」に生きるということはどういうことなのか。日々の暮らしはどうなっているのだろうか。イスラムの特徴の一つとして「女性差別」を挙げることができるが、そこに私たちの認識不足や誤解は無いのだろうか。 タリバン政権下のカブール。公開処刑された女性の名はザルミーナ。売春、夫殺し…。彼女を追うなかで見えてきたアフガニスタン社会の闇。自らのカメラで撮影した現場で何が起きていたのか。そして戦地報道の現場で実際に見たこと、取材してわかったことなど、第一線を走り続ける映像ジャーナリストだからこそ知り得るイスラムの真実を共有する。 ゲスト講師/玉本英子 1966年、東京都出身。アジアプレス 大阪オフィス所属。デザイン事務所を退職後、ビデオ取材を始める。クルディスタン、コソボ紛争、アフガニスタンの女性たちなど、ビデオを中心に取材、発表。「明日起こる危機〜コソボ」(テレビ東京)、「伝統音楽に生きる〜トルコ」(NHK福岡)、 「イスラムに生きる〜公開処刑されたアフガニスタン女性」(NHK総合)、 「Lifting The Veil」(イギリス・Channel4ドキュメンタリー Dispatches-アフガニスタン取材)など。イラク武装勢力「アンサール・スンナ軍」「イラクの聖戦アルカイダ機構」インタビュー(2005)、イラク軍従軍取材など、テレビ中継を含めた現地リポート(日本テレビ)など。共著に『アジアのビデオジャーナリストたち』(はる書房)がある。 |
第1弾 |
7月31日(土)18:30〜20:30 「国際政治の中の中東について」「中東」という地域が抱えている問題は何か、を明らかにし、その原因を近現代の国際政治の中に位置づける。さらに、国際政治に振り回されるだけではない、中東の指導者たちの巧みな処世術を解明していく。その一方で、中東の人々はどのような社会を作ろうと模索しているのか、世界という大きな船の上で揺れながら、中東の市井の人々が感じ、目指しているものを考察する。 【テキスト】「<中東>の考え方」(講談社現代新書) ゲスト講師/酒井啓子1959年生まれ。東京大学教養学部教養学科(国際関係論)卒業後、アジア経済研究所に勤務。24年間の同研究所在任中に、英国ダーラム大学(中東イスラーム研究センター)で修士号取得。1986~89年、在イラク日本大使館に専門調査員として出向。2005年より、東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。専攻はイラク政治史、現代中東政治。おもな著書に『イラクとアメリカ』(岩波新書、アジア・太平洋賞大賞受賞)、『イラク 戦争と占領』『イラクは食べる』(ともに岩波新書)、「フセイン・イラク政権の支配構造」(岩波書店)など。 |
【定員】 | 30名 |
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【受講条件】 | 受講条件は、以下の通りです。 |
1.メディア関係者 2.大学生、大学院生 3.1.2.以外の方で、本テーマに興味がある者。 お申し込みいただいた方には、メールにて結果をご通知致します。受講者は資料代として¥1,500をご準備下さい。 |
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【申し込み】 | 当ゼミは、シリーズ企画です。随時、ゲスト講師をお招きし、HPにて更新していきます。 受講希望者は、それぞれ、希望する回毎にお申し込み下さい。 |
【その他、注意事項】 | 千代田区神田錦町3-21 「ちよだプラットフォームスクェア」 TEL 03-3233-1511 ちよだプラットフォームスクウェア – アクセス |