時系列で見る「ロシアの対ウクライナ戦争方針の転換」第2回 ウクライナ戦争へのアメリカの関与と特別軍事作戦の概念変更の可能性。
ロシアの政治討論番組「グレート・ゲーム」(2022年9月12日放映)の抄録
9月7日、ウクライナのゼレンスキー大統領はビデオ演説で、ハリコフ州のロシア軍占領地域に対し、ウクライナ軍が攻勢をかけ、その一部を奪還したと述べた。ロシア軍は後退を余儀なくされ、この後退を契機に、ロシアのウクライナ戦争に対する方針が、この1カ月で大きく変化した。ところが日本のメディアが扱う、情勢分析に役立つロシア側の情報は非常に少ない。
この間の推移を筆者が作成した資料によって時系列で示し、追跡しやすくする。
ロシア側の内在的論理を探るのに不可欠な公開情報に、筆者が旧知のロシア人政治学者と意見交換した内容もあわせて紹介する。
●「グレート・ゲーム(ボリシャヤ・イグラー)」は、「第1チャンネル」(ロシア政府系)が不定期に放映する政治討論番組で、本年2月24日にロシアがウクライナに侵攻した後は、クレムリンが諸外国にシグナルを送る機能を果たしている。
●9月12日(月)22:50(モスクワ時間、日本時間13日、04:50)から59分間放映された番組の冒頭26分は情報的価値が高いと思料されるので、概要を記録にした。9月初旬(6~10日頃)のハリコフ州におけるウクライナ軍の攻勢に関する興味深い味方が示されている。
●出演者
ドミトリー・スースロフ氏 ロシア高等経済大学教授。
ドミトリー・サイムズ氏 米共和党系シンクタンク「ナショナル・インタレストのためのセンター」所長。ソ連からの移住者で米国籍。米ホワイトハウスとクレムリンの双方の信任が厚く、現下の情勢における重要ロビイスト。
レオニード・レシェトニコフ氏 対外諜報庁中将、前戦略研究センター所長、元対外諜報庁分析局長。
米国が管理するウクライナ戦争に、停戦合意はあるか?
スースロフ 今日(9月12日)、プーチン大統領は閣議で西側によるロシアに対する経済制裁は機能していないと述べた。この状況で米国はウクライナにおける軍事紛争を最大限に引き延ばそうとしている。先週末(9月8日)、この関連で3つの出来事があった。バイデン米大統領がG7首脳とウクライナへの軍事的、経済的援助のためのビデオ会議を行った。同日、ブリンケン米国務長官がキエフを訪問し、22億ドルの長期的軍事資金提供を約束した。同日、ドイツのラムシュタイン空軍基地で、オースティン米国防長官が支援国会合で6億7500万ドルの短期支援をウクライナに対して行うと述べた。
これらから最低限3つの事柄が明らかになった。
第1は、より攻撃的な重火器をウクライナに提供する意思を米国が持っているということだ。9月12日の「南ドイツ新聞」が、米国防総省がウクライナに最新型の戦車を提供する用意があると描いている。
第2に、米国がより直接的に紛争に関与しようとしていることだ。「ニューヨーク・タイムズ」は、ハリコフにおけるウクライナ軍の攻勢について、米国がウクライナを助けたと報じている。
第3に、この紛争に対する米国の実際的関与が、公式に表明されているよりもはるかに大きいということだ。「ブルームバーグ通信」(9月9日)が報じたところによれば、米国はウクライナにかなり以前から公表せずにGPSによる精密誘導弾エクスカリバーを供与していたということだ。
▼番組内での掲示
米国は秘密裏にウクライナへの支援パッケージに高性能誘導砲弾を加えていた。
予算文書によって以前に公表されていないウクライナ軍への兵器の補充が確認された。国防総省は秘密裏にGPSによる精密誘導弾エクスカリバーをウクライナに送っていた。米国防総省は連邦議会によって認められた9200万ドルを使用した。
われわれは米国のこういった傾向とそれがもたらす結果について「ナショナル・インタレストのためのセンター」所長のドミトリー・サイムズ氏、対外諜報庁(SVR)中将で戦略研究センター前所長のレオニード・レシェトニコフ氏と話し合いたい。
サイムズさん、私が尋ねたいのは3番目の点についてだ。米国は言うこととやることが異なっている。この紛争の基礎になっているのが大きな嘘だ。それはキエフ当局だけではない。ウクライナ政府が嘘をつくということについてわれわれは幻想を持っていない。問題は米国とNATOだ。武器の供与だけでなく、極めて多くの疑念がある。全く信頼できない。この状況でロシアが米国やNATOと何らかの合意を達成することができるのだろうか。
情報戦におけるルール。
サイムズ スースロフさん、「戦争による最初の犠牲は真実である」という俚諺がある。レシェトニコフさんもこの言葉に賛成すると思う。敵と情報を共有することは知恵の徴でない。意図的な情報操作がある。われわれはここを攻めると見せかけて、別の場所に攻め込む。有名なのはソ連によるベラルーシ進攻作戦だ。ソ連は意図的にドイツが真実と異なる印象を抱くようになるような情報を流した。戦時には、中途半端な真実、あるいはまったく真実でない情報を流すことがある。現在行われている意図的な情報操作は、民主主義を唱道している文明的国家には馴染まない。レシェトニコフさんはこの種の問題についての専門家と思うが、これは英国情報機関MI6にとっては通常のことではないのだろうか。MI6は定期的にインテリジェンス情報を公表している。これはプロパガンダ(宣伝)の要素が強い。これはインテリジェンスの機能と矛盾する。プロパガンダかインテリジェンスかどちらかを選ばなくてはならない。インテリジェンスであり同時にプロパガンダであるということは困難だ。ここで米NBCの報道を見てみよう。米国がどのように情報キャンペーンを展開しているかについてだ。
▼番組内での掲示
過去との訣別。米国はロシアとの情報戦を展開するにあたって、疑わしいインテリジェンス情報を用いている。
多くの米国の官僚が、米国は信頼性の高くない情報でさえ武器として用いていると述べている。それは以下の思想に基づいている。クレムリンの戦術を阻止し、無効化するためには、ロシアの戦争キャンペーンを困難にしなくてはならない。モスクワの宣伝を妨害し、ロシアが現下の軍事行動に関連して国際世論への影響を決定づけることがないようにしなくてはならない。
ケン・ディラニアン記者 2022年4月6日、NBCニュース
サイムズ スースロフさん、1970年代に私がソ連から米国に移住してそれほど時間が経っていないときのことだった。私は戦略研究所で働いていた。そして週一回、「ラジオ・リバティー」(米議会が資金を提供する宣伝放送)に原稿を提出していた。この放送局はソ連に対する敵対的姿勢を公にしていた。私はこんな指示を受けていた。まずソ連指導部に対して侮辱的な表現をしてはいけないということだった。それから最も重要なのは、明白な嘘をついてはいけないということだった。偏向した情報や正確でない情報も流してはいけないと言われた。現在、複数のチャネルでさまざまな情報がモスクワに伝えられているが、プロパガンダの嵐のようだ。米国家レベルのチャネルでは、全ての人が同じ事を言っている。そのようなことが国家から要請されているわけでもないのに、誰もがプーチンと闘おうとしており、ロシアとの闘争に従事している。少なくとも私にとってこれは不快な状況だ。
ウクライナ軍攻勢の主役は、米英の特殊部隊員?
サイムズ もっとも重要な点についてレシェトニコフさんに伺いたい。ハリコフ州での出来事について、米国や西側から従来よりも強力な支援があったと考えるか。この支援が(ウクライナの)ゼレンスキー大統領に新たな可能性、ロシアを攻撃する可能性を与えることになったであろうか。今回の米国の行動をロシアはどの程度深刻に受け止めているか。米国の行動には大規模な軍事支援も含まれる。米国が発表したリストによれば、直近でウクライナに1400のスティンガーミサイル、8500のジャベリン、700の無人攻撃機、16あるいはそれ以上の数のハイマースだ。
▼番組内での掲示
16 | ハイマースシステム | |
1400 | スティンガーミサイル | |
8500 | ジャベリン | |
700 | 対戦車無人飛行機スイッチブレイド | |
126 | 榴弾砲 | 80万7000の155ミリ弾 |
20 | 迫撃砲 | 8万5000の120ミリ弾 |
8 | 地対空ミサイルシステム・ネイサムス(NASAMS) 精密誘導ミサイル・ハーム(HARM) | |
20 | ヘリコプターMi-17 | |
200 | 装甲輸送車M113 | |
40 | 地雷探索車 MAXX PRO | |
1万以上の榴弾砲 64万以上の砲弾 | ||
7万5000 | 防弾チョッキと鉄かぶと | |
15 | 無人飛行機スキャンイーグル |
米国国務省 2022年9月8日
ロシアのテレビでは、ウクライナ人が(訓練を受けていないので)使用することができない兵器も含まれているという人もいる。
レシェトニコフ 西側、NATO、米国、英国などは、ロシアに対する大規模なハイブリッド戦争を展開している。過去3ヶ月で再びウクライナ軍の武装強化を行っている。最新兵器とともに、スロバキア、チェコ、ルーマニア、ブルガリア、ポーランドから引き渡されたソ連製の中古兵器がウクライナに提供されている。
最近のハリコフ州における出来事では、米国と英国の特殊部隊員が直接、戦闘に従事していたことが明らかになった。
サイムズ あなたはこの人たちが直接、戦闘に従事していると言うのか。
レシェトニコフ そうだ。この人たちは傭兵と呼ばれている。1936年のスペイン市民戦争を想起してほしい。ソ連はスペインに義勇兵と司令官を送った。
サイムズ 米政府の見解によれば、この人たちは傭兵に過ぎない。
レシェトニコフ この人たちは傭兵と呼ばれているが、特殊部隊員だ。今回、前線を突破した部隊は、まさにこの人たちによって構成されていた。ロシアによる通信傍受でもこの人たちは英語を用いていた。ウクライナ人とも英語で話していた。この人たちが大きな役割を果たした。
ハイブリッド戦争の真の意味。
サイムズ 話の腰を折って申し訳ないが、非常に重要なことがある。どこであなたはこの情報を確認したか。あなたはプロのインテリジェンス・オフィサーだ。あなたはSVRの中将だろう。
レシェトニコフ もちろんそうだ。
サイムズ あなたはインテリジェンス分析に従事する極めて重要な研究所の所長だった。
レシェトニコフ サイムズさん、あなたがプロパガンダに従事している英国のインテリジェンス機関について述べていたことを想起して欲しい。あの人たちは常にプロパガンダに従事している。ソ連時代にも宣伝戦を組織し、プロパガンダを行った。英国人はそういう手法を好む。
サイムズ ただし現在のような規模ではなかった。
レシェトニコフ 規模は拡大している。英国人は1945年から長期間の闘いに従事している。しかし、特殊部隊員を派遣したことは、それだけで大きな意味を持つ。ロシアは現在、NATO、米国やその同盟国と衝突している。ほんとうの戦争が起きている。
サイムズ スースロフさん、私がなぜこのような質問をレシェトニコフさんにしたか説明する。私はレシェトニコフさんの仕事と彼が長を務めた研究所に敬意を払っている。プロとしてインテリジェンス分析を行う者同士の会話をしている。あなたはリークされた情報を得ている。そして、あなたが発言を撤回することはない。
スースロフ この発言は推定ではなく、事実を知っているということか。
レシェトニコフ もちろんそうだ。
スースロフ 私はサイムズさんの意見に全面的に賛成だ。戦争においては相手を挑発する情報操作が必ずなされる。敵から激しい戦闘が仕掛けられるのはごく普通の現象だ。しかし、米国は戦争に加わっていない。米国はロシアと戦争関係になっているわけではない。米国がとっている手法は、戦争に特徴的な性質を帯びている。まさにハイブリッド戦争という現実を示している。オースティン国防長官やバイデン大統領が傭兵に指令を出しているということではない。しかし、ロシアとの関係では米国のすべての国家機構が平時ではなく戦時の手法を用いている。どこに戦時と平時の境界線があるのだろうか。
サイムズ あなたも確認しているとおり、米国とNATOは事実上、ロシアが呼ぶところの特別軍事作戦に加わっている。米国は当事国でないと言っているが、同時にウクライナの自由と主権を擁護していると言っている。ロシアはウクライナに対して正当化されえない侵略を行っている。これが(西側やウクライナによる)挑発によるものであるのか、私には判断することが難しい。
アクセルとブレーキを同時に踏む米国。
スースロフ ロシアが反撃した場合、米国にどのような損失がもたらされるのかという問題について議論したい。米国は事実上、この紛争の一方の側に加わっている。今のところロシアは抑制的な対応をしている。米国がこの紛争に参加しているかどうかを判断するための、目には見えない公式の線が存在する。しかし、忍耐にも限界があり、望んでいない紛争の激化が生じる可能性がある。米国は明らかに嘘をついている。ウクライナには交渉に耐える能力がない。ウクライナは大統領のレベルで、われわれはミンスク合意を遵守するつもりがないと述べた。米国は全世界に対して、米国がウクライナに供与した兵器がロシア領土を攻撃する目的で使用しないとウクライナに約束させたと述べた。しかし、9月8日のラムシュタイン空軍基地での会合の直前にウクライナのザルージュヌィー参謀総長が論文を発表し、米国から長距離砲を入手したら、まず初めにロシア領の奥深い場所を攻撃し、ロシア国民を紛争に巻き込むと述べた。
▼番組内での掲示
2023年、紛争の転換点をもたらすための計画
――クリミアを占領する。
――長距離砲を入手してロシア領の標的を攻撃する。
――ロシア人が紛争について「遠くの出来事である」という幻想を持たせないようにする。
――ウクライナ側はロシア側から戦術核を使用されることを覚悟する。
出典:「ウクライナ参謀本部の2023年の計画」『ウクライナの見解』誌
これは米国とウクライナの合意に反している。これに米国はどう反応しているか。
サイムズ 米国の公式の反応ということか。
スースロフ そうだ。公式の反応だ。あるいは公式でなくともウクライナによるこの種の発言に対する反応があったか。
サイムズ 私は3週間前にモスクワに到着した。あなたにはよくわかると思うが、米国の軍事秘密を得ることは難しい。特に国際電話では不可能だ。私が国際電話で話した人々からは以下の印象を受けた。ブリンケン国務長官がこのタイミングでキエフを訪れたのは、ウクライナ側にもう少し穏健なり、あからさまな挑発的発言をしないようにと釘を刺すつもりだったという印象だ。ウクライナに連帯と今後の支援を約束するが、キエフの政権に少しブレーキをかけようとしている人々がバイデン政権にはいる。米国の基本的立場を変えず、ウクライナの基本的決定を支持し、ウクライナの成功を誇りにすると述べるが、過大評価はしない。
スースロフ サイムズさんの意見では、米国はバランスをとろうとしている。米国がロシアと戦争にならないようにすることとウクライナへの支援を続けることの間でのバランスだ。このような米国の戦略についてどう考えるか。
レシェトニコフ バランスは崩れているかもしれない。まず、米国と英国、ポーランドとの関係においてだ。米国は直接関与しないが、圧力をかけて英国とポーランドにゼレンスキー大統領を助けねばならないと言わせる。そのためには現在よりも戦闘を激化させなくてはならないと言わせる。米国は最後までこの路線をとると思う。米国が他国を焚きつけている。
スースロフ 米国はこれらの国が米国の統制から外れることを望んでいないのかもしれない。サイムズさんは、米国がウクライナなどを公式に非難することはないが、非公式には排除されないと述べたことに関しては、公式の発言が重要と思う。ロシアは米国が公式の非難を差し控えた事例を覚えている。2008年8月、ジョージアのミハイル・サーカシビリ大統領に関連してのことだ。公式レベルにおいて当時のコンドリーザ・ライス国務長官は、米国が同盟国を見捨てる可能性はないと言った。われわれはライス氏が非公式の場で何を言ったかは知らない。明らかなのはサーカシビリ氏がこのシグナルに関して白紙委任状を与えられたと解釈したことだ。そしてああいうこと(南オセチア侵攻)をした。現在もあのときと同じことが起きているのではないだろうか。
特別軍事作戦の概念が見直される可能性。
サイムズ それはあるが、別の危険性もある。私はモスクワに3週間滞在している。指導的機関のさまざまな専門家と意見交換をしている。ハリコフでの出来事、モスクワでのダリア・ドゥーギナが殺害事件などを踏まえて、嵐の前の静けさのような状態にあるという印象を受けた。近未来に何か事件が起きると思う。ウクライナ戦線においてもロシアがある種の結論を出すに至ったことを示す事件が起きる。ロシアは事態の激化を望んでいないが、別の解決策が見いだせない。ロシアがとりうるシナリオではウクライナ国外のものありうる。例をあげる。12月5日からロシア産石油の輸入が禁止されると言われている。これに対抗してロシアが米国船による輸入を禁止したとしても、実行できない。禁輸の実効性を担保できる保険制度をロシアが持っていないからだ。しかし、レシェトニコフさんはよく御存知のことと思うが、ロシアは潜水艦を持っている。もし潜水艦がタンカーのすぐそばに現れて、タンカーに目的地を変えろと指示したらどうなるであろうか。西側の保険会社はこのような事態に備えた保険を引き受けたがらないと思う。ワシントンの掛け金が巨額になっている。米国は自らの行動に対して、相手国がどういう対応をとるかを正しく理解しなくてはならない。これが実態に近い状況と思う。レシェトニコフさんはどう考えるか。
レシェトニコフ 特別軍事作戦の概念が変更されると思う。NATOと米国が展開しているハイブリッド戦争が原因となって、概念が見直されることになる。そして別の特別軍事作戦になる。ロシアに敵対する動きが進行している。ロシア指導部は、サイムズさんの感触が正しいことを証明するであろう。
スースロフ ウクライナにおける特別軍事作戦の性格が変化するだけではなく、米国への対抗措置がとられるであろう。今のところ米国は、自分たちは安全だという幻想にとらわれている。ウクライナで何万人もの犠牲者が出ているが、米国がハイブリッド戦争を展開しても、ガソリン価格の高騰を除けば、大きなところで何も失っていないと米国は考えている。米国は世界中にたくさんの基地を置いており、巨大な権益を持っている。ロシアが米国内の標的を直接攻撃するには及ばない。ハイブリッド戦争とはそういうものだ。ここで重要なのは状況が管理できなくなってはいけないということだ。私が不安を覚えるのは、米国外交の劣化が一層の米国内政の劣化をもたらすことだ。ハイブリッド戦争を含む米国の外交は、目に見える規則と目に見えない規則の双方を破っている。米国内政ではレッドラインとゲームのルールが完全に無視されている。内戦が勃発しかねないような敵対関係が存在する。サイムズさんは米国の外交と内政に関連があると考えるか。
サイムズ 米国の政治的変化については、最近の世論調査で40%の米国人が内戦が起きると考えている。私はそれを避けることを強く望んでいる。核時代の国際関係について述べるならば、これは遊び(ゲーム)ではない。この番組は「グレート・ゲーム」と名付けられているが、超大国間の衝突について話し始めるならば、これはもはやゲームではない。報復が始まると、それは最大級の悲惨な結果をもたらす。
スースロフ サイムズさんの意見に全面的に賛成する。核大国間で直接的な軍事衝突が起きればグレート・ゲームは終わってしまう。この番組「グレート・ゲーム」がいつまでも続きますように。サイムズさん、レシェトニコフさん、興味深い話をしてくださったことに感謝します。
サイムズ氏の「ハリコフでの出来事、モスクワでのダリア・ドゥーギナが殺害事件などを踏まえて、嵐の前の静けさのような状態にあるという印象を受けた。近未来に何か事件が起きると思う。ウクライナ戦線においてもロシアがある種の結論を出すに至ったことを示す事件が起きる」との見通しは正しかった。