時系列で見る「ロシアの対ウクライナ戦争方針の転換」第4回 ウクライナ戦争をめぐるロシアと西側で交わされるのは「非難の言葉」だけでいいのか?

▼バックナンバー 一覧 2022 年 11 月 1 日 佐藤 優

「グレート・ゲーム」(2022年9月21日放映)の抄録 

9月7日、ウクライナのゼレンスキー大統領はビデオ演説で、ハリコフ州のロシア軍占領地域に対し、ウクライナ軍が攻勢をかけ、その一部を奪還したと述べた。ロシア軍は後退を余儀なくされ、この後退を契機に、ロシアのウクライナ戦争に対する方針が、この1カ月で大きく変化した。ところが日本のメディアが扱う、情勢分析に役立つロシア側の情報は非常に少ない。
この間の推移を筆者が作成した資料によって時系列で示し、追跡しやすくする。

ロシア側の内在的論理を探るのに不可欠な公開情報に、筆者が旧知のロシア人政治学者と意見交換した内容もあわせて紹介する。

●「グレート・ゲーム(ボリシャヤ・イグラー)」は、「第1チャンネル」(ロシア政府系)が不定期に放映する政治討論番組で、本年2月24日にロシアがウクライナに侵攻した後は、クレムリンが諸外国にシグナルを送る機能を果たしている。

●9月21日(月)22:45(モスクワ時間、日本時間22日、04:45)から67分間放映された番組の冒頭27分は情報的価値が高いと思料されるので、概要を記録にした。同日、部分的動員令にプーチン大統領が署名した事態を受けて、ウクライナ戦争の構造が変化したことについて掘り下げた議論をしている。

●出演者

ドミトリー・スースロフ氏 ロシア高等経済大学教授

ドミトリー・サイムズ氏 米共和党系シンクタンク「ナショナル・インタレストのためのセンター」所長、米国籍)。米ホワイトハウスとクレムリンの双方の信任が厚く、現下の情勢における重要ロビイスト。

2022年9月21日は、歴史的に重要な日になった。

スースロフ いかなる誇張なくして、過去数十年の中で今日(9月21日)は歴史的に重要な日だった。今朝、プーチン大統領は、少なくとも特別軍事作戦が始まってから、最も厳しくかつ重要な演説を行った。最大の意義はウクライナ軍事紛争における広義でのロシアの敵が米国に率いられた西側連合だと明らかにしたことだ。米国の政策がこの軍事紛争を引き起こし、部分的動員という今日の決定をもたらした。プーチン大統領の発言に耳を傾けてみよう。

プーチン発言

「西側の目的は、わが国を弱体化させ、分裂させ、最終的に破壊することである。既に西側は1991年にソ連を解体することに成功した。今度はロシアの番だと言うのだ。ロシアが敵対する多数の地域と州に分解されるときが到来したとあけすけに語っている。西側の侵略的な反ロシア政策が極端な状態になっている。わが国とわが国民に対する恒常的脅威がもたらされている。西側の無責任な政治家たちは、クリミアやロシアのその他の地域への攻撃を可能にするような長距離攻撃兵器の供与を手配しているだけではない。西側の兵器を用いたテロ攻撃は、既に(ロシアの)ベロゴロド州とクルスク州の国境の村に対して行われている。NATOは、最新のシステム、航空機、艦船、衛星、戦略的ドローンを用いてロシアの南部地域全体を偵察している。ワシントン、ロンドン、ブリュッセルは、キエフに対してロシア領土に対しても軍事行動を行うようにと直接働きかけている。西側は、戦場であらゆる手段を用いてロシアを敗北させ、その後、政治、経済。文化を含むあらゆる主権を奪い、ロシアから完全な収奪をすると考えている」

スースロフ ショイグ国防相が、ロシアは現実に西側連合と戦っていると述べ、この事実を詳しいデータで証明した。
 本日のプーチン演説における核についての言及は西側に対して向けられたものだ。ウクライナについてプーチン大統領の発言を引用するならば「NATO主要国の高官がロシアに対する核兵器使用の可能性について述べている」ということだ。
 われわれはプーチン演説としれに対する西側連合の反応、ロシアと西側の関係の展望、ウクライナにおける軍事行動について、「ナショナル・インタレストのためのセンター」所長のドミトリー・サイムズ氏と話し合いたい。サイムズさん、こんばんわ。

サイムズ こんばんわ。

スースロフ 今日はいろいろなことがあった。国連総会ではジョー・バイデン米大統領が演説した。バイデン氏は演説の冒頭でロシアが国連憲章に違反していると非難した。そしてあたかもロシアが核で西側諸国を脅しているかのごとき発言をした。見てみよう。

バイデン演説

「今日、プーチンはヨーロッパを核戦争で脅している。これは不拡散体制に対する重大な侵犯だ。ロシアは戦場への兵士の動員を始めた。クレムリンは偽の住民投票をウクライナの一部を併合するために行おうとしている。これらの行為は国連憲章を乱暴に侵犯している」

スースロフ バイデン氏の発言は、今日のプーチン大統領の演説に対する反応のようだ。ホワイトハウスによれば、バイデン氏は演説の内容を変え、ロシアの動員に関する言及を加えたとのことだ。プーチン演説に対するバイデン氏のこのような反応をどう評価するか。

サイムズ バイデン氏が述べたのは一般論だ。あなたはプーチン演説について歴史的だと述べた。私も賛成する。それではなぜ歴史的であるかについて話したい。

 この演説でプーチン氏は、率直かつ明白にロシアが西側連合と対立していると述べた。ロシアの指導者によれば、ウクライナではなく西側連合が主要な敵だということだ。これは重要な声明だ。ただし、これを歴史的と言うには及ばない。

 歴史的意義は別のところにある。プーチン氏は上述の評価を与えただけでなく、ロシアの具体的行動についても述べた。これが非常に劇的な出来事だ。行動の1つは、ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザパロジエをロシア連邦の構成員にするということだ。これは極めて重要な行動だ。現実的な影響を与える第一歩だ。プーチン氏は、これらの地域は切り離すことができないロシアの有機的構成の一部だと述べた。もし誰かがこれらの土地を奪おうとするならば、ロシアはこの土地を守らなくてはならないということだ。これらの領域をロシアのものと考えるということだ。これらの領域を守るためにプーチン氏は部分的動員を行うと述べた。最後にプーチン氏は、もしロシアが大量破壊兵器によって攻撃されるような事態になれば、ロシアが対抗措置をとらないであろうと考える人はいないであろうと述べた。

 スースロフさん、われわれは以前にもロシアの防御的兵器についてさまざまな話をした。プーチン氏はこの点について細かな話をしなかった。私はプーチン氏を個人的によく知っている数人の人と話し合った。この人たちは異口同音にこう言った。プーチン氏がこの種の警告をすることは深刻な事態だ。プーチン氏が軽はずみな脅迫をしたことは一度もない。あることをプーチン氏が述べた場合、その後、それが現実になる。もっとも翌日そうなるということではない。誰かが望んでいるタイミングで起きることもない。プーチン演説は劇的な性格を帯びており、決定的な行動を伴う、非常に深刻な警告ということだ。これに対して西側連合は何をしようとしているのだろうか。何もしようとしていない。制裁はロシアに脅威をもたらしていない。警告も効果がない。このようなことをロシアに対して試みても成功しない。

 抑止に関するプーチン氏の発言は実際に深刻なもので検討に値すると私は考える。分析が必要だ。スースロフさんの見解もとても重要になる。ロシアの具体的行動について検討しなくてはならない。ロシアは自らの立場に関心を向けさせるだけでなく、西側連合が真剣に考えざるをえない状況を作り出している。現状でプーチン氏の提起は政治的なもので軍事的ではない。プーチン演説のおかげでロシアが政治的イニシアティブをとることができた。

スースロフ 私も、西側の対応、バイデン氏側とヨーロッパ側からの反応に関するサイムズさんの評価に全面的に同意する。まだロシアに対する脅威はもたらされていない。西側が、プーチン演説について歴史的なものと考えているのか、単なる虚勢でロシアの政策が変わることがないと受け止めているのかがわからない。サイムズさんが述べた4つの州をロシア連邦の構成主体にするという最も劇的な変化について、これは西側の政策に関連している。プーチン氏は、特別軍事作戦の初期に西側が(ロシアと)ウクライナの交渉を止めさせたと述べた。ウクライナは自ら提案した内容で合意しようとしていたと今日、プーチン氏は述べた。西側はウクライナに集中的に武器を送り、ウクライナ人が最後の1人まで戦うように仕向けた。その結果、ロシアはドネツクとルガンスクだけでなく、ヘルソンとザパロジエを擁護せざるを得なくなった。西側には政策を変更する用意があるのだろうか。それとも変更しないつもりなのであろうか。兵器の供給を続けるのか。本日(9月21日)、ショイグ国防相は、外国人顧問がウクライナの軍事作戦を指揮していると述べた。西側のインテリジェンスが、宇宙における多数の衛星など軍事用、民生用のすべてのものがウクライナにおいて軍事作戦に用いられている。西側はこのような状況を変えるのか、それとも変えないのか。もし西側が政策を変えないならば、バイデン氏やヨーロッパの指導者が今日述べた内容に意義を見出すことはできない。

2014年のマイダン革命で、ロシアが得た教訓。

サイムズ 西側もロシアを言葉ではなく行動で判断しようとしている。今日のプーチン氏の演説は力強かった。これが西側の関心を引いた。このことによってロシアは、政治・外交的にだけでなく、軍事的にもイニシアティブをとれる可能性がでてきた。ラブロフ外相はこの番組で、西側はわれわれの話を聞いておらず、われわれの議論を真剣に受け止めていないと述べた。ロシアは悪魔化されており、西側連合は次のように考えている。第1にロシアの議論を検討することは、本質的に不必要で、分析の対象にすること自体が適切でない。分析すると真面目に答えざるを得なくなるからだ。西側の意向は、ロシアの言うことを信じないので、勝手に言わせておけばいいというものだ。しかし、モスクワにいる私は、言葉に関心を持っている。特にプーチン大統領の演説は、具体的で重要な政治的、軍事的イニシアティブを提示し、最終的にそれが行動になって現れる。大統領レベルの言葉は、西側の政策を全面的に変更させることができる。残念ながらロシアの発言を真剣に受け止めないという習慣がエリツィン時代だけでなくゴルバチョフ時代から長く続いている。こういう姿勢が西側連合の第2の本性になっている。これを変えることは難しい。

 スースロフさんの見解を伺いたいが、ロシアが抑制的な態度をとったときに、それが頻繁に弱さの徴と受け止められることについてだ。例えば2012年から14年初めまでのウクライナにおける出来事に関してだ。マイダン革命について、私の理解では、モスクワにおいて抑制的対応をするという決定がなされた。西側連合とウクライナの追従者は、ロシアによる干渉の可能性について話し合っていた。しかし、西側の方がロシアよりもはるかに大きな干渉をした。ロシアの干渉に関しては声明だけで、それも極めて抑制的なものだった。ヤヌコヴィッチ大統領はキエフから追放されないと関係者の間で合意された。この合意はヨーロッパの主要国によって保証された。実際にどうなったかというと、合意は守られず、ヤヌコヴィッチが追放になっただけではない。キエフ政権は、ウクライナの法律によって形成されたクリミア州議会を解散させようとし、住民の抵抗が起きるとドンバス(ウクライナのドネツク州とルハンスク州)を空爆した。これがロシアにとってよい教訓になった。ロシアが何を言っても西側が耳を傾けないということの教訓になった。ロシアが行動すると、それが注意を集め、そして重大な結果がもたらされる。

ロシアの抑制的態度を、弱さと受け止める西側。

スースロフ 全面的に賛成だ。抑制(sderzhannostj)と消耗(izderzhibanie)の違いを理解しなくてはならない。ロシアは責任を負う大国で国連の常任理事国として抑制的態度をとると、西側はそれを弱さと受け止める。

サイムズ しばしばそうだ。

スースロフ ロシアが弱って消耗すると、西側はあけすけな侵略的政策をとる。1980年代末から90年代にかけて、ロシアを消耗させる政策がとられた。それがNATOの東方拡大とユーゴスラビアへの侵略、さらに多国籍軍によるイラクの侵攻をもたらした。これらの教訓から学ばなくてはならない。消耗によって弱体化してしまえば、将来への展望を失う。ロシアは核兵器を含む全ての調達可能な資源を用いて脅威を抑止する準備ができていると表明した。再度強調しておくが、ロシアの核兵器は抑止のための兵器であり、攻撃のための兵器ではないといくことだ。

サイムズ 防衛のためということか。

スースロフ 防衛のために必要になればということだ。防衛のために核兵器を使うというのが抑止だ。

サイムズ もちろんそうだ。

スースロフ 抑止について2人の著名なロシアの米国専門家アレクセイ・バガトーロフ氏とヴィクトル・クレミニョフ氏がとても良い論文を発表した。バガトーロフは、米国人が自らの動きを止めることができないと述べた。ロシアが抑止力を示したときに米国は歩みを止める。ロシアが抑止を続けると米国はロシアの侵略性を非難する。ブリンク駐ウクライナ米大使や国防総省の代表者の発言から米国が政策を変更する意図は認められない。

サイムズ どういう理由があれば米国人は政策を変更するのであろうか。これはプーチン大統領自身が述べたことであるが、米国は時間をかけてロシアを悪魔化し、西側同盟を結束させた。スースロフさんがこの番組で述べたように、この政策が中間選挙でバイデン氏を有利にする。アフガニスタン撤退での恥辱にもかかわらず、バイデン氏は強い指導者でプーチン氏と対決していると見せることができる。必要に迫られなければ米国はこの政策を変えない。現状に照らしてこの政策を変える必要性を米国人は感じていない。

それでもバイデン米大統領は狂人ではない。

スースロフ 恐らく、一定の時間を経れば、米国人も政策を変更する必要性に気付くであろう。言葉ではなく、現在ロシアが取り始めている行動によってそうなる。部分的動員に関する大統領令は既に公表されていて、実施されることになる。これが前線の状況に影響を与える。

 さらに私はもう一つの重要なニュアンスに注目している。今日のバイデン演説で、この戦争、すなわちウクライナにおける軍事行動は公正な条件によって、あなたたち全員が署名する条件によって終結すると述べた。ここで言う「あなたたち」が誰を意味するのか、私にはわからない。ここにロシアが含まれているのか、それとも西側連合だけなのか。少なくともここにはレトリックの変化を認めることができる。なぜならつい先日、バイデン氏はウクライナだけがどのような条件でどの時期に戦争を終えるかを決めることができると述べた。ウクライナの立場というものは、ウクライナ全土での戦いだけでなく、ロシアを完全に粉砕することである。NATOのストルテンベルグ事務総長は、今日(9月12日)、ウクライナ紛争は交渉の場で解決されなくてはならないと述べた。NATOの立場は交渉でウクライナが良好な立場になることを助けることだと述べた。以前にはストルテンベルグ氏もロシアが粉砕されなくてはならないと述べた。この発言にプーチン演説を考慮した西側の変化を読み取ることができるであろうか。

サイムズ 私が何度もこの番組で述べたことであるが、今日の標準的なワシントンの政治家と比較するとバイデン氏とその取り巻きたちは、穏健で健全な考えの人たちだ。特に沿バルト諸国やポーランド、これら諸国との連携を強めるスウエーデンや英国と比較するとバイデン氏らは穏健な人びとだ。モスクワから見た場合、抑制的態度は高いレベルではないとしても、他のヨーロッパの政治家や米国の政界代表者、特に連邦議会の政治家たちと比較すると、(バイデン氏らは)責任感のある人々だ。いずれにせよバイデン氏らを狂人と呼ぶことはできない。これが第1の点だ。

 第2に国連総会で演説した人々の目的はロシアを孤立させることだった。しかし多くの国の代表がそのようなアプローチに賛成しなかった。外交を重視し妥協の用意について語ることは、正しいトーンで、正しい場所で、正しいタイミングだった。別の会議の場でこのようなトーンがどれくらい続くかについては様子を見守る必要がある。

 繰り返すが西側連合の指導者たちが、プーチン演説と住民投票に関して大声で叫ぶことは疑いの余地がない。「いったいどういうことだ。こういうことをしてはいけないと言っただろう」と。かつて西側の指導者はプーチン氏に電話して、強く警告したと言ったが、今はそのような話を耳にしない。なぜだろうか。あなたには私よりもよく推定できるだろう。

緊張が高まった状況で、必要な言葉とは?

スースロフ 私もあなたの見解に賛成する。ただし私が望むのは、この種のレトリックが、ロシアが粉砕されることを欲していない第三世界との対立を避けるためということだけでなく、ロシア大統領演説のメッセージを受けて西側も抑制的になってほしいというメッセージとしても作用することだ。

私が最後に尋ねたいのは核兵器をめぐる戦略的安定についてである。ワシントンに着いたラブロフ外相は、モスクワが戦略的攻撃兵器に関する交渉の復活について米政府とバイデン氏個人に対してシグナルを出したと述べた。このシグナルを米国がどう受け止めているかがはっきりしていない。本日のバイデン氏の国連演説は、ひじょうに矛盾したものだった。バイデン氏の演説に耳を傾けてみよう。

バイデン演説

「世界で起きていることを考慮するならば、米国には軍備管理を実現する用意がある。核戦争に勝者はいない。国連安保理は1月にこの原則について再確認した。この原則に関連してわれわれに不安を覚えさせる傾向が存在する。核拡散防止条約(NPT)再検討会議でロシアが核拡散防止体制をの理念を壊そうとしたことだ。今日、ロシアは核兵器使用に関して無責任な脅威を作り出している。中国も透明性に全く欠ける形で核を増強している」

スースロフ 一方においてウクライナを含む世界で何が起きているかについて述べ、他方において米国には対話の用意があると述べる。同時に無責任な行動とか核不拡散体制を破壊するとか言ってロシアを非難している。米国には交渉の用意があるのか。それともないのか。あなたの意見を伺いたい。

サイムズ 長い間、西側はロシアのイニシアティブは言葉だけだと言っていた。ロシアのイニシアティブに関する米国や西側のレトリックについては、冷静に受け止めればいいと思う。そこにある種の健全な要素を見出すようにすればよい。ロシアの国益に適う点があれば、拒否するには及ばない。スースロフさん、すべての金が光り輝いているわけではない。ワシントンを観察していると、誰がどのようなイニシアティブを取っているかがわかる。例えば、サリバン安全保障担当大統領補佐官については、より信頼できるとは言わないが、より許容できると思う。長年の間、ロシアと熱心に闘ってきたヌーランド国務次官も、モスクワでの領事担当官を増やし、より多くの査証(ビザ)をロシアの学生に対して出した方がいいと言っている。ロシアの学生にもっと旅行の機会を与えるべきだと述べている。学生たちが米国に来て自分の目で見た方がいいと言っている。ヌーランド氏を好むかどうかは別にして、ロシアの学生に新たな機会が生まれる。ロシア社会においては、今のところ多くの人々がプーチン氏を必要としている。モスクワで働いていても米国の影響力を拡大することは難しい。米国や西側で少しでも多くのロシア人が一緒に働いて自らの信念を伝える必要がある。だからこうしたイニシアティブの詳細がどうなっているか、意図は何なのかについて注意深く検討する必要がある。私は状況がより悪くなるということを考えようとは思わない。色眼鏡を通して世界を見ることも考えていない。

スースロフ ウクライナ紛争が激しくなっている劇的な瞬間において、米国とロシアの対話が、国連や他の場で行われている非難の応酬だけでなく、健全な性格を帯びるようになることを望んでいる。興味深い会話をしてくださったことに感謝する。

サイムズ スースロフさん、ありがとう。