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▼バックナンバー 一覧 2010 年 10 月 27 日 松林 要樹

●住民説明会は大荒れだった

二〇〇八年の九月中旬から一部事務組合が行った生活環境影響調査書の縦覧が始まり、九月二二、二三の両日、末吉、大賀郷の各公民館で住民説明会が開かれた。『南海タイムス』の記事をきっかけに、住民はこの処分場に関心を持った。公民館には入りきれないほどの住民が詰めかけ、延べ一二五人の住民が参加した。島では、あそこの誰それが集会に来ていたということがすぐ噂になるので、住民はなかなかそういう場には行きたがらないにもかかわらずである。
 結果的にいえば、住民説明会は一部事務組合による一方的な説明会であった。町の若者を中心に工事の安全性を質問し、具体的な説明を求めても「水源への影響はない」「絶対安心」との答弁を行政は繰り返した。しかし、その根拠を示すことは一切なかった。
 町議会では、「飲料水確保は最優先事項。安全な施設建設を一部事務組合に要望していく」(八丈町担当課長)、「調査が不十分なら、徹底的にやらせる」(浅沼町長)との回答があったが、その調査は現在まで行われた形跡はない。住民から出された不安や質問に真面目に答える姿勢はなかった。
 工事着工前の一連の説明会の中で特筆すべきは、二日目の大賀郷公民館で行われた説明会での出来事だ。島へ移住してきた若い女性が浅沼町長に水源の安全性について質問した。すると町長は「あなたは島に、一体いくら税金を払っているのか? あなたにはそんな発言をする権利はない」と怒鳴りつけたという。浅沼町長のその対応に、会場の空気は凍りついた。八丈町の町長の発言としては信じられない発言だが、そこには町としては何としても早く処分場をつくりたいという焦りが伺える。
 町と一部事務組合はなんとかこの工事を早く進めたいと望んでいる。計画段階からとにかく延期を繰りかえしてきた案件だからだ。

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