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▼バックナンバー 一覧 2010 年 10 月 27 日 松林 要樹

二、八丈島のゴミの歴史

 八丈島のゴミは中之郷ゴミ埋め立て処分場(一九七三年五月竣工、二〇一三年四月埋め立て完了予定)の素掘りの穴に埋めていた。現在もここでは町の木々などのゴミが焼かれている。土壌汚染や汚水が現在建設中の管理型処分場よりひどいことは言うまでもない。しかもかつては廃車のバッテリーをそのまま焼却して埋めていたこともある。さすがにそれはまずいということで後に中止された。
 この中之郷の処分場の近くにも水源がある。しかし、水海山とちがって処分場は水源よりずいぶんと海抜が低いのが救いだ。
 これらを考えると、八丈島は「環境にやさしい自然に配慮した島だった」とはお世辞にも言い難い。ただ、国からの指導によってこれまでの埋め立て処分場が管理型処分場に変わることになったため、水源地より高い位置の水海山に処分場が決まり、これまで積み重なってきたゴミ処分問題が顕在化したのである。これが住民の環境意識に火をつけたのは間違いない。
 着工された今となってはもう遅いが、水源よりも高い位置の水海山ではなく、中之郷に管理型処分場が作られていたほうがよかったのではないかという声も地元住民からは聞かれる。

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